研究者代表あいさつ
臨床研究を巡り多くの議論が交わされています。日本版NIH構想の下に新独立行政法人が設置されメディカルイノベーションが国策として推進され始めました。再生医療に関しては新法の下にその実施や安全性担保が国によって管理されることが決まりました。疫学研究と臨床研究の倫理指針の改定作業の下に「人を対象とした医学系研究」の倫理指針に統合され、より厳格な運用が必要となります。ノバルティス事件を受けて臨床研究に対する信頼性が揺らぎ始めました。これを受けて我が国の臨床試験はICH-GCPに向かって大きく舵をとり始めます。それでも、私達は臨床研究を進めなければなりません。何故なら、臨床研究こそが新しい知見、エビデンスを確立する手段だから。何故なら、進歩なき医学・医療は衰退する運命にあるから。
そのような環境の下に走り出した「肺の生活習慣病」に関する登録事業は、一診療科、一大学単位では収集できない臨床データベースを構築し、オール福岡体制でそれを活用するという画期的な試みです。多くの先生方から本事業に関連した素晴らしい研究テーマのご提案もいただいています。運用に関しては多くの困難や煩雑さもあるか思いますが、これこそが現状で世界と戦える臨床研究の仕組みと考えています。研究に参画する医師、研究者、そして対象となる患者様とそのご家族、そして社会全体のご理解とご協力をいただくことができれば幸いです。皆さんの力を結集させてこのプロジェクトを成功させましょう。
研究代表者 | 九州大学大学院胸部疾患研究施設 教授 中西 洋一 |
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研究責任者 |
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研究事務局 | 九州大学大学院胸部疾患研究施設 濵田 直樹、緒方 彩子 福岡市東区馬出3-1-1, Tel: 092-642-5378, Fax: 092-642-5389 |